先述したように奇皇后は表記ゆれや設定ゆれの多いドラマでした。そのため、NHKの放送に際して注視したい点は、どこまで修正するのかということです。
どうしてこのようなゆれが起きたのかというと、奇皇后を主人公にした初めてのドラマだからです。
韓国ドラマDVDまた、過去においてこの時代を本格に扱ったこともありませんでした。
高麗の後期は元に従属を強いられた時代であり、半島の歴史としては誇らしくないものでした。
奇皇后 DVDだからあまりドラマの題材とされませんでした。
さらに、元という異文化にまたがるため、資料収集や演出面においてもハードルが高かったのです。
ボクが登場人物について調べる際も、一旦ハングルで韓国のサイトを調べたあとに、中国のサイトを調べるという作業を行いました。さすがに本国となるとボリュームが桁違いです。
そうして調べれば調べるほど、ドラマの表現に矛盾点が散見されました。結局のところ、この時代を熟知する製作者がいないということなのです。
NHKが字幕やガイド番組を作成するにあたっては、韓国語の資料を渡されるはずです。それを元に忠実に再現した場合には、それなりのゆれが保たれたものが出来上がります。
ただし、NHKにはMBCなど比肩できないレベルで時代考証に長けたスタッフが居るはずです。彼らを動員して修正をかけた場合にはクオリティーの高い訳が出来上がることでしょう。(そこまでしないですね?)